お線香について
Q お線香はいつ頃から使われているのですか?
A その起源は大変古く、推古天皇、三年(西暦595年)聖徳太子の時代に淡路島に香木"沈香"が漂着したのが始まりとされています。それ以来、仏事や神事に欠かせないものとして使うようになりましたが、現在のような棒状のお線香の形になったのは江戸時代の初めになってからといわれています。
Q お線香はどこで作られているのですか?
A 堺・京都・大阪・淡路・日光などが主な産地です。かつては日本最大の貿易港として薬種問屋が軒を並べた堺。平安時代に流行した"薫物"に始まり、産地としての歴史が最も古い京都。香に関して日本最古の歴史をもち、現在では全国線香生産高の70%近くを占める淡路島。杉線香の原料産地として産業が発展した日光など、それぞれ独自の歴史を築いてきました。
Q お線香はどんなものからつくられているのですか?
A お線香の原料には、漢方薬としても使われるような貴重な香料が使われています。
[椨(たぶ)]・・・
クスノキ科の常緑樹で、日本・台湾・朝鮮半島・中国大陸に分布しています。皮部分を粉末にして水を加えてお線香の基材として使います。
[白檀(びゃくだん)]・・・
インド・インドネシア・オーストラリアに分布する常緑樹です。葉や樹皮はほとんど香らず、芯材部分に甘みのある東洋調には欠かせない芳香があります。香水・香粧品・扇子などにも使われる貴重な香木です。
[丁子(ちょうじ)]・・・
モルッカ諸島原産のフトモモ科の丁香樹のつぼみを乾燥させたもので、16世紀に丁子を求めて新航路を開拓したことは有名です。香辛料のほか、鎮痛剤・石鹸・歯みがきに使われています。
Q お線香は何本あげるのですか?
A 仏前でのお焼香は仏・法・僧(仏・・・お釈迦さま、法・・・仏の教えを説いた経典、僧・・・仏の教えを広めるお坊さん)への帰依を意味して3回行うといわれます。宗派によって違いはありますが、お線香も仏・法・僧にならい、3本立てるのが一般的といえるでしょう。
Q お墓参りにはどんなお線香がいいのですか?
A 一般にお墓参りの時には、外で使用するためのお線香(「杉線香」と呼ばれる杉を原料にしているもの)を使うことが多いですが、年に数回のことなので香りのよいご家庭でもご使用いただけるお線香を持っていきたいものです。ご先祖さまのご供養には香りのよいお線香をお供えしましょう。
Q お線香やローソクの火の消し方に決まりはあるのですか?
A 火を消すときは、手であおいで消すのが礼儀とされています。吹いて消すものではないと言われているのは、神聖であるべきお仏壇の前で息を吹きかけるのは無作法とされるからです。
Q お線香は何を決め手に選ぶのですか?
A 香りと煙りが基本です。香りでは、お好みで選ぶのが基本ですが、厳粛で幽玄な香木、淡麗で爽やかさを持つ天然植物系で大きく分かれます。煙はその量が普通か少ないかに分かれます。真山では、天然植物系の淡紅梅をはじめ、香木でも白檀の「真佐羅」、沈香の「那曾伽」は微煙微香で仕上げています。
Q なぜお線香をあげるのですか?
A お線香をお供えすることは、香煙を通じて仏さまとお話するなどといわれています。お線香は自分の身を清めたり、仏さまの食事といった意味合いもあるようです。よい香りで心を落ち着けてご先祖さまと向きあうといったことを大事に思いましょう。
Q お線香とお香はどう違うのですか?
A 作り方など基本的にはまったく同じです。お香の方がより広く香りがひろがるように香料が吟味されていますが、ご自分の香りの好みでお線香をお香として使っても、またその逆にお香をお線香として使ってもかまいません。
Q お線香にはどんな種類があるのあるのですか?
A お線香には原料によって、匂い線香と杉線香に分けることができます。[匂い線香]・・・椨(たぶ)の木の皮を基材に各種の香木や香料の調合から作られています。現在広くご家庭で使用されているお線香の大部分が匂い線香です。また最近は煙の少ないものも人気ですし、焚いた後の残り香や移り香が少ないお線香も発売されています。[杉線香]・・・杉の葉の粉末を原料にして製造され、杉特有の匂いがするお線香でお墓参りなどで使われています。
Q お線香をあげる初期のことなのですが、線香を立てるための灰は、買うことができますか?もし買えるならいくら位するのですか?
A 線香立てに入れる灰は、一箱200円ほどでお買い求めになれます。
Q 灰が汚れてきたのですが、どうしたらよいのですか?
A 香炉炭を長く使用していると、灰がかたくなったり湿っぽくなりお線香が消えてしまうことがあります。このような時はこまめに灰を攪拌したりふるいにかけたりして湿気を取るよう心がけましょう。また、できれば盆や年末など節目の時期には新しい灰に交換してみてはいかがでしょうか。
ローソクについて
Q ローソクはいつ頃から使われているのですか?
A ローソクは紀元前から使われていたといわれていますが、日本には仏教伝来とともに伝えられました。当時は貴重品で宗教儀式のときと一部の階級にしか広まらなかったようです。一般に普及しだしたのは大量生産ができるようになった江戸時代になってからといわれています。
Q どうやってローソクをつくるのですか?
A 中心に糸を通した型にロウを流し込んで水で冷却してつくる方法が一般的です。他には、ロウの中に糸を漬けたり出したりしてだんだん太くする方法や、ロウの粒を圧縮してかたどる方法などがあります。
Q ローソクの号数はどうやって決めるのですか?
A ローソクの号は、計量法が施行された昭和28年以前には匁といわれていました。したがって3号は3匁ローソクと呼ばれて1本の重量で呼び名がついていました(1匁=約3.75g)。また、大きいものは丁といって本数での販売もされていました。現在の号数での呼び方は目方で計っていたときの名残です。
Q どんなローソクがいいのですか?
A 見た目につやがあり、ひび・曲がりがなく芯の長さが適当で下部の穴が適当な大きさであること。点火したときに油煙が出ず、ロウだれがないこと。炎の大きさが適当で安定していること、明るく輝くことなどがあげられます。
数珠について
Q 子供が成人したので数珠をそろえたいのですが、宗派によって形・色・材質等何か決まりがありますか?一重のもの、二重にして使うものなどいろいろありますが。
A 成人すればご近所・知人・親戚・会社取引先・会社同僚、と視野が広がります。素材について紳士は山のものの木の実で紫檀・黒檀が多いです。婦人は海のものの珊瑚・石材が多いです。宗派によっては、形が決まっているものがありますが、一般的に一重の片手念珠(略式念珠)は各宗共通で使えます。
Q 数珠の糸が切れて、珠がバラバラになってしまいました。縁起が悪いのでこの数珠は処分した方がよいのでしょうか。それとも直せるのでしょうか
A 数珠の糸が切れたのは、縁起が悪いわけではありませんので、直してお使いになっても問題はありません。玉をなくさぬようにして、専門店へ持っていけば直してもらえます。
お仏具について
Q 白木位牌を長い間おまつりしています。本位牌にしなくてはと思いつつ家族で亡くなったのは母だけだったのでどうしていいのかも分からず今まできてしまいました。本位牌にするにはどうしたらいいですか?
A 本位牌にするには仏具店または百貨店に行ってください。約15日で文字彫刻されます。法名・戒名をお持ちください。
Q 白木の仮の位牌は、塗りの本位牌が出来た後はどのように扱えばよいですか?
A 白木のお位牌は檀家寺にお納めください。
Q 打敷の種類と素材について教えてください。
A 四角い型・三角の型があります。
素材は人絹と本絹があります。
機織、箔三丁、ヨリ金、綴織、唐織があります。
Q 高さ88cm、幅64cm、奥54cmの上置き仏壇を2年程前に購入したのですが、マンションに引っ越して4.5畳の和室に置くことになるですが、この大きさの上置き仏壇を置くための台はありますか?
A 奥行きが50cm位のものですとお仏壇屋にあります。50cmを超えるものは特注になります。
Q 両親が生前戒名をいただいてきましたので、お位牌に赤字で入れて仏壇に置くと言っています。それはよいのでしょうか?その際、どういう手順でどこにお願いするのでしょうか?またお位牌が出来たときにはお経をあげていただく必要がありますか?
A 生前に戒名をいただく人は多いです。個人的にも違いがあります。
お寺さんにお経を上げていただく必要はありません。
Q 生前にいただいた戒名を墓石に赤で入れる場合は、石屋さんにお願いするだけでよいのですか?お経などお寺さんにお願いする必要はありますか?霊園の場合とお寺の中にお墓がある場合など、しきたりが違いますか?
A 石屋さんにお願いすれば諸々の手配をしてくれます。霊園またお寺内でも。
Q 宗派の違うお位牌をひとつのお仏壇に入れてお参りしてもよいですか?
A 宗派の違うお位牌を一緒に入れてもかまいません。
Q お仏具をそろえるとなると費用はいくらかかるのですか?
A お仏壇用の仏具はまず寸法が必要になります。専門店に直接お問い合わせください。
Q 白木位牌はいつまで置いておくのですか?
A 四十九日か、百日までです。
Q なぜお位牌をまつるようになったのですか?
A 亡くなった人の戒名をしるした木の札であるからまつるのです。
Q どんな種類の仏具が必要なのですか?
A 専門店に直接お問い合わせください。
Q 過去帳の書き替えはできますか?
A 過去帳は長年使いますと戒名・年月日・俗名・行年○○才と文字が見えにくくなります。新しいものに書き換えることができます。
お墓について
Q このたびお墓を改葬することになりました。新しいお墓にどのようにしてお骨を移したらよいですか?作法等ありましたら教えてください。現在のお墓は遠いため交通手段として電車を利用しようと思っています。
また新しいお墓での埋葬手続き(役所関係、お寺関係)、埋葬の仕方についても教えてください。
A 作法は特にありません。ただし納骨される場合は石材店とお寺に報告してあらかじめ日時を決める必要があります。お骨は木綿の白布で包み、箱(骨壷)に入れ持参される方がよいでしょう。埋葬の手続きは石材店さままたはお寺さまにご相談されるのがよいと思われます。
Q 家は分家ですがお墓が遠くて考えています。存命中にお墓を建てるのは長生きする…とどこかで聞いた気がします。本当ですか?ちょっと縁起が悪いのではと気になっております。
A 存命中にお墓を建立すると今までいろいろんなことを考えていたことが安心に変わります。戒名までつけておられる方もいます。ご自分の名前のところは朱文字にします。縁起が悪いどころかお祝い事です。
Q お墓はいつ建ててもいいですか?
A 時期に決まりはありません。一般に、仏事(法事)のないときにお墓を建てるのは好ましくないといわれていますが、これは根拠のない迷信です。何かの仏事に合わせて建てれば開眼法要も一緒に行えることから、仏事のあるときのほうがよいといえます。
Q お墓はいくら位するのですか?
A 墓地・お墓の価格は場所を決めてお見積もりを取ってからご相談ください。
Q 墓地を購入する予定ですが、どのような種類がありますか?
A 寺院敷地内の墓地は、時には分譲をする場合があります。霊園・柏原聖地霊園・国分が丘墓苑・京阪奈観音霊園、その他石材店にご相談ください。
Q 墓石を買うのにローンはつかえるでしょうか。
A お墓にもローンがあります。
Q 永代使用権って何ですか?
A 墓地を求めるにあたって心得ておかねばならないことは、墓地は宅地分譲などのように土地そのものが売買されるものではなく、"永代使用権"を得るという形をとります。つまり、永代使用承諾という方式で扱われそこで支払われる代金を永代使用料といいます。
Q 墓石の色には宗派の決まりはあるのですか?
A 墓石の色には決まりはありません。関西地区では白御影石が多く、関東地区では黒御影石が多いようです。墓石色は、白・黒・青・茶・赤・緑・ピンク色の御影石があるようです。
Q 墓石にはどんな形があるのですか?
A 大阪型・神戸型・京都型・名古屋型・九州型・金沢型・神徒型があります。
Q 実家のお墓が遠いので自宅の裏の空地にお墓を立てたいと思うのですが、住宅地の場合勝手に墓石を用意して立ててもよいのですか?近くの古くからある家では、自宅の敷地内にお墓がある家が何軒もあります。
A 自宅の敷地内にお墓を建立することは出来ません。ただ市町村役場に改葬許可申請書を提出して許可を得ると可能になります。
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